模試が返ってくると、まず見るのは合計点。次に偏差値や判定。そこは自然です。
ただ、そこで成績表を閉じると、夏の勉強を決める材料が答案の中に残ったままになります。点数や判定は、今どのあたりにいるかを見るもの。答案は、次に何を直すかを考えるもの。役割が少し違います。
返却された日に全部を分析する必要はありません。点数を見て気持ちが動いているなら、問題・答案・解答を一か所に置き、翌日に開いても大丈夫です。なくさず、閉じたままにしない。それで十分です。
返却後に、ここまで決めれば十分
- どの問題で失点したかを分ける
- 原因をひとまず仮置きする
- 使う教材・範囲・確かめる日を決める
見る順番は「結果→原因の仮置き→予定」
見方1:合計点をいったん横に置き、答案を開く
最初に見るのは、間違えた問題と、手を付けられなかった問題です。教科名だけでなく、単元や設問まで小さく見ます。「数学が悪かった」では、次に使うページを決められません。
たとえば英語の長文で後半が空欄だったとします。単語が足りなかったのか、前半に時間を使いすぎたのか、設問の読み方で止まったのか。空欄だけでは、まだ分かりません。
数学も同じです。式を立てるところまでは合っているのに、その後の計算で崩れたなら、単元を最初から全部やり直すより、途中の処理を集中的に確かめた方がよい場合があります。
問題別の正答率が載っている模試なら、それも使えます。多くの受験者が難しかった問題と、今の段階で取りたかった問題を分けるためです。ただし、帳票の項目や判定の出し方は模試ごとに違います。載っていない数字を無理に補う必要はありません。
正解した問題も、一つだけ確かめておきたいところがあります。たまたま選択肢が当たった、式の途中は曖昧だった、解き直すと説明できない。そういう問題は、丸が付いていても次回に同じ形で取れるとは限りません。全部を疑う必要はありませんが、「根拠を持って解けたか」が気になった問題には小さく印を付けておきます。
なお、実施時期や受験者層の違う模試では、偏差値や判定をそのまま横に並べにくいことがあります。前回と数字が動いたときも、まず同じ試験の科目別・単元別の中身を見ます。
見方2:「なぜ間違えたか」は、まだ決めつけない
答案に印を付けたら、失点した理由をひとまず次のように分けます。
- 知識・理解:用語、公式、語彙、基本事項が曖昧だった
- 解き方・手順:知識はあるが、解法を選んで最後まで進められなかった
- 時間:途中で時間が足りなくなり、手を付けられなかった
- 読み取り・実行:条件の見落とし、途中式、計算などでずれた
ここで「ケアレスミスだった」「集中していなかった」で終えると、次の練習が決まりません。どの条件を読み落としたのか。途中式のどこがずれたのか。時間を外せば解けるのか。もう一度解いて、仮置きした原因が合っているかを確かめます。
分類をきれいに完成させることが目的ではありません。教科書に戻るのか、例題をまねて手順を練習するのか、時間を測るのか。その選択ができるところまで分かれば使えます。
見方3:予定表に書ける大きさまで小さくする
「数学を復習する」「英単語を頑張る」では、机に座ったときに迷います。教材、範囲、取り組む日、確かめる日まで書きます。
たとえば、「問題集の関数の基本問題を火・木・土に解き、日曜に間違えた問題だけを何も見ずに解き直す」。これなら、始める場所と終わりが見えます。
英単語なら、「模試の長文で意味を取れなかった語を単語帳で確認し、翌日と週末にもう一度テストする」。広い苦手を、今週動かせる大きさに変えます。
夏の4週間は、テーマを2〜3個に絞る
間違えた問題を全部、同じ優先度で直そうとすると、計画だけが大きくなります。夏に扱うのは、今後も繰り返し使う基礎、ほかの単元にも影響する内容、4週間で再確認までできる内容から2〜3個ほど。部活動、学校課題、講習、家庭の予定に合わせて量は変えます。
迷ったときは、次の順で候補を見ます。
- 入試や次の模試でも使う内容か
- そこが曖昧なままだと、後の単元でも止まりそうか
- 教科書や基本例題まで戻れば、夏の間にもう一度確かめられそうか
正答率の低い難問を、夏の最優先にしない判断もあります。今の4週間で動かせるものから先に扱い、志望校や次の試験時期に応じて秋以降へ残す。そうした順番も計画の一部です。
- 1週目:答案を見直し、解説を見る前にもう一度試す。夏に直すテーマと使う教材を決める。
- 2週目:教科書や基本例題へ戻り、途中の手順を自分で再現する。同じ間違いには短い間隔で戻る。
- 3週目:形が少し違う類題を解く。時間が原因だと考えた問題は、ここで時計も使う。
- 4週目:元の問題か同程度の問題へ戻り、何も見ずに解く。残ったものだけを次の月へ持ち越す。
この4週間は、選び、練習し、もう一度確かめるところまでの一区切りです。部活動や学校課題が重なる週は、2週目を長くしたり、前の段階へ戻ったりします。
保護者は、点数の感想より「いつ確かめる?」
結果を見た保護者の方が、「どうしてこの点数だったの」「このままで大丈夫?」と聞きたくなることもあると思います。ただ、返却された直後は、本人もまだ整理できていないことがあります。
少し時間を置いてから、「時間があれば解けそうだったのはどれ?」「夏に一つ変えるなら、どこからにする?」「その問題は、いつもう一度やる?」と聞く方が、話を次の行動へ移しやすくなります。全部を続けて質問する必要はありません。一つで十分です。
本人がその日に話したくなければ、答案をなくさない場所に置き、翌日や週末に見る時間を決めます。保護者が分析と計画をすべて代わるより、最後は本人が「まずこれをする」と言える形を残したいところです。
答案をもう一度開く
今日やることは、答案を開き、気になる問題へ印を付けること。そこから始めます。
個別指導W)alkで見ているのも、点数そのものだけではありません。答案、普段使っている教材、学校の予定、次の試験までの時間を並べ、今扱う範囲と確認日を決めます。始めてみて量や方法が合わなければ、途中で組み直します。
答案を前にして、どこから手を付けるか迷うときは、結果の整理から一緒に考えます。
※模試の帳票、偏差値、判定、問題別正答率の意味や算出方法は、実施会社・試験によって異なります。各模試の案内もあわせてご確認ください。掲載画像は説明用のイメージで、実在する生徒・学校・模試の答案ではありません。