昨日は、何を確かめるかを決め、アプリの設計図と最初の指示を用意しました。
今日は、その文章をGeminiのCanvasへ入れて、実際に動くところまで試します。やってみると、最初の1回でアプリらしい画面はできました。正直、ここは予想以上です。ただ、そのまま使う気にはなれませんでした。
見本として入っていた宿題は、こちらが頼んだものではありません。「絶対に終わるから大丈夫」という言葉も、残り日数や生活予定を知らないAIが言い切ってよいことではないでしょう。
お盆3日でつくる AI自由研究
第1回:何を確かめるか決める
第2回:作って、試して、直す(この記事)
第3回:失敗と修正を自由研究としてまとめる

最初の指示で終わらせず、画面を見て3回直しました。
話し言葉に近い文章を、Canvasへ文字入力した
Geminiアプリでは、スマートフォンからCanvasを開いてアプリを作成できます。長い指示は、Geminiのマイクやスマホのキーボードにある音声入力を使えば、手で打ち続けなくても入力できます。
今回の実演では、話し言葉に近い文章を文字でCanvasへ入力しました。確かめたのは、この指示から中学生向けの試作品を作り、修正できるかです。音声入力、スマートフォン実機、中学生本人による操作は検証していません。自分で音声入力も試す場合は、文字に誤りがないかを読み返し、直した箇所も記録してください。
最初に入れた指示はこちらです。
夏休みの残り日数に合わせて勉強計画を作るアプリを作ってください。宿題名、残っている量、かかりそうな時間、残り日数を入力できるようにしてください。中学生がスマートフォンで使うので、文字とボタンを大きくしてください。名前、学校名、成績は入力しない設計にしてください。完成したアプリはスマートフォンの中だけで動き、入力内容を他の人と共有しないでください。
これは実際に送った原文です。後から見ると、「スマートフォンの中だけで動く」は技術的に曖昧でした。AIがこの言葉をどう実装したのかも、コードを確認する項目に加えます。
1回目――動いた。でも、勝手に足されたものがあった
Canvasが作った画面には、「今日の計画」「宿題一覧」「1日のペース」という3つの画面がありました。残り日数を変え、宿題名、残っている量、単位、かかりそうな時間を登録できます。文字とボタンは大きく作られていました。
ここまでは、予想よりよくできていました。
一方、頼んでいないものも入っていました。
- 数学ワーク、英語プリント、読書感想文という見本データ
- 「絶対に終わるから大丈夫」という励まし
- 中学生向けというより、少し幼く見える色と装飾
- 音声入力が使えることを知らせる案内がない
AIは、こちらが決めなかったところを勝手に補います。便利な先回りと、余計なお世話は紙一重です。今回の見本データは自分の宿題と混ざりますし、励ましも根拠のない言い切りになっていました。
ここで「アプリができた」と終わらせず、直したい点を文章にします。

見本データが入った最初の画面と、宿題0件から始まる修正後の画面です。
2回目――「もっとよくして」ではなく、直す場所を伝えた
2回目は、次のように指示しました。
最初の画面に入っている数学ワークなどの見本データをすべて消してください。初めて開いた人には、まず残り日数を決め、次に宿題を追加する順番を案内してください。「絶対に終わる」という表現は使わず、予定は実際の進み方に合わせて直せると表示してください。宿題名の入力欄には、スマートフォンの音声入力を使えることが分かる短い案内を付けてください。入力データは引き続き端末内だけに保存し、共有機能とAI機能は追加しないでください。全体を中学生向けですが子どもっぽすぎない紺、白、黄色のデザインにしてください。
「もっと見やすく」「いい感じに」とは言っていません。消すもの、残すもの、加えるものを分けました。
修正後は、最初の宿題が0件になり、「残り日数を確認する→宿題を追加する」という2段階の案内が出ました。宿題名の欄には、スマホのキーボードのマイクを使えるという一文も付きました。色も紺、白、黄色が中心になりました。
数字を入れて、計算を確かめた
次の条件で試しました。
- 宿題:数学ワーク
- 残り:24ページ
- かかりそうな時間:3時間
- 夏休みの残り:10日
表示された1日の目安
24ページ ÷ 10日 = 2.4ページ
180分 ÷ 10日 = 約18分
計算自体は合っています。ただし、毎日0.4ページだけ進めることはできませんし、10日すべて同じ時間が空いているとも限りません。
そこで、これは「AIが決めた計画」ではなく、残りを均等に割った計算上の目安として使います。3ページ進める日、2ページにする日、何もしない日をどう置くかは、自分の予定を見て決めます。

24ページ・3時間・残り10日なら、1日2.4ページ・約18分という計算です。
3回目――画面の裏側を見ると、小さな不具合もあった
最後に、Canvasが作ったコードも確認しました。全部を読めなくても、「入力内容をどこへ保存しているか」「外部へ送る処理がないか」「表示文がどう切り替わるか」は検索できます。
すると、進捗が40%を超えた場面で、絵文字を表示する場所に文章が入る小さな不具合が見つかりました。また、「残り○日で無理なく進めるため」という文も、本人の一日の予定を知らないのに言い切りすぎています。
そこで3回目は、不具合と表現を指定して直しました。
進捗40%以上のとき、絵文字を表示する場所に文章が入る不具合を直してください。「残り○日で無理なく進めるため」は「残り○日で終える場合の計算上の目安」に変更し、1日あたりの量は残量を残り日数で単純に割った数値だと分かる注記を付けてください。ほかの機能と、端末内だけに保存する設計は変えないでください。
ここは見た目の修正ではありません。「無理なくできる」と言い切るのをやめ、ただの計算結果だと分かるように直しました。私は、この修正の方が大事だと思います。
「端末内だけで動く」は本当だったか
今回のコードでは、宿題名や残量はブラウザのLocalStorageに保存され、外部APIへ送る処理は見当たりませんでした。一方、画面の装飾や文字を表示するため、外部の配信サービスを読み込んでいます。最初の指示に書いた「スマートフォンの中だけで動く」は正確ではなく、確認できたのは「入力データはブラウザ内に保存される」という範囲でした。「完全にオフラインで動く」とも言いません。
ここは発展編です。コードを読めない場合でも、個人情報を入力しない、共有リンクを作らない、公開しない、の3点を守れば今回の検証は進められます。
AIの説明に「完全プライベート」「安全」と書かれていても、その言葉だけで判断せず、分かる範囲で設定やコードを確認します。分からないときは、公開や共有をしない選択もできます。
今回はアプリの共有リンクを作りません。氏名、学校名、成績も入力しません。完成画面と指示の記録があれば、自由研究の説明はできます。
3回直して、ようやく使ってもよさそうな形になった
最初の一文から、コードを一行ずつ書かなくても動く画面までは作れました。これはGemini Canvasの便利なところです。
一発で完成させる必要はありませんでした。出てきた画面を見て、消すものと直す言葉を具体的に伝える。その方が、結果を確かめやすくなりました。
最初から完璧な指示を書くことより、出てきたものを見て「ここが違う」と言い直す方が大事です。アルクが生徒に身につけてほしいのも、この力です。
明日は、成功画面より「直した理由」をまとめる
明日は、予想、最初の画面、直した理由、最後の結果をレポートへ並べます。自分で音声入力も試した人は、その記録も使えます。
アルクの塾生で試してみたい人は、金曜日のSLのときに相談してください。作りたいアプリを決めるところだけでなく、AIが勝手に足した部分をどう見抜くか、出てきた数字を勉強計画へどう戻すかまで一緒に確認します。
参考にした公式情報
- Google「Gemini Canvasでドキュメントやアプリなどを作成する」
- Google「Geminiモバイルアプリで音声を使う」
- Google「Geminiアプリへのログインに必要なもの」
- 文部科学省「学校現場における生成AIの利用について」
※機能や利用条件は2026年8月14日時点で確認しました。年齢、アカウント、管理設定によって使える機能は異なります。