お盆3日でつくる AI自由研究
第1回:何を確かめるか決める
第2回:音声入力にも使える指示文で、アプリを作る
第3回:失敗と修正を、自由研究としてまとめる
「自由研究、まだ決まっていない」
8月も半ば。「自由研究、まだ決まっていない」という中学生も、たぶん珍しくありません。
そこで今回は、AIに答えを書かせるのではなく、AIにアプリを作らせて、その出来を調べてみます。
今回から3回に分けて、Geminiを使った自由研究を実際に進めます。
作るのは「夏休みの残り日数に合わせて、宿題を振り分けるアプリ」です。ただし、アプリが完成すれば研究終了、ではありません。
今回の研究の問い
話し言葉に近い指示だけで、中学生向けの学習計画アプリの試作品を作れるか。
今日はまだGeminiを開きません。先に、何を調べるか、どんな画面にしたいか、自分で何を確かめるかを決めます。

「アプリを作る」だけでは、研究になりにくい
AIに「勉強計画アプリを作って」と頼めば、何かしらの画面は出てきます。アプリが動いただけなら制作記録です。自由研究にするには、作る前の予想と、AIが予想どおりに動かなかった場面を残します。
今回は、話し言葉に近い文章でどこまで意図が伝わるかを見ます。最初の指示で必要な機能がそろうのか。曖昧な言い方は、どのように受け取られるのか。何回くらい言い直すと試作品になるのか。ここを記録すれば、うまくいかなかった場面も研究の材料になります。
たとえば、最初の予想は次のように書けます。
作るもの、入力するもの、表示するもの、使う人を順番に説明すれば、コードを書かなくてもアプリの形までは作れると思う。ただし、宿題の優先順位や一日にできる量は、AIだけでは決められないと思う。
予想は当てるために書くものではありません。実際の結果と比べるために書きます。外れたときの方が、考察しやすいこともあります。
先に、紙へアプリの設計図を書く
スマホを開く前に、ノートを一枚用意します。きれいな図でなくて構いません。次の5点が分かれば十分です。
- 誰が使うか:夏休みの宿題が残っている中学生
- 何を入力するか:宿題名、残っている量、かかりそうな時間、残り日数
- 何を表示するか:今日やる量と、翌日以降へ回す量
- どんな画面にするか:スマホで押しやすい大きなボタン、読みやすい文字
- 入れないもの:氏名、学校名、成績、受験番号などの個人情報
ここが、単純な割り算と学習計画の違いです。
AIは、残り20ページを10日で割って「一日2ページ」と表示することはできます。でも、その2ページに30分かかるのか、90分かかるのかは教材によって違います。部活動や家族の予定も、AIには分かりません。
そのため今回は、AIに計画の正解を決めさせるのではなく、入力した数字を見やすく整理する道具を作らせます。実際に無理のない量かどうかは、使う本人が確かめます。
最初の指示は、この文章にした
今回の実演で、最初にCanvasへ文字入力した原文はこちらです。
夏休みの残り日数に合わせて勉強計画を作るアプリを作ってください。宿題名、残っている量、かかりそうな時間、残り日数を入力できるようにしてください。中学生がスマートフォンで使うので、文字とボタンを大きくしてください。名前、学校名、成績は入力しない設計にしてください。完成したアプリはスマートフォンの中だけで動き、入力内容を他の人と共有しないでください。
このうち、「スマートフォンの中だけで動く」は技術的には曖昧な言い方でした。実際に何が端末内へ保存され、外部との通信があるのかは、作られたコードを見て初めて分かります。この言葉を最初から整えず、AIがどう受け取ったかも次回の確認対象にします。
実演は、この文章をそのまま文字入力して行います。音声入力の認識精度や、スマートフォン実機での操作性は、今回の検証には含めません。
自分で取り組むときは、スマホの音声入力を使っても構いません。その場合は送信前に読み返し、聞き取り違いを直した場所も残します。iPhoneとAndroidでは、マイクの位置や動きが設定によって異なります。
自分で音声入力も試す場合は、話した内容、文字になった内容、送信前に直したところを並べて残せば、別の検証材料になります。

最初の指示を入れる前に、問いと予想を紙に残します。
今日のうちに残しておくもの
今日は、次の4点がそろえば準備完了です。
- 研究の問い
- 結果の予想
- 紙に書いたアプリの設計図
- 明日、Geminiへ文字入力する最初の指示
できれば、設計図をスマホで撮影しておきます。明日アプリができた後に見返すと、最初の予定からAIが勝手に変えたところ、自分の説明が足りなかったところを見つけやすくなります。
AIとの会話も、最初の指示、最初にできた画面、修正の指示、完成画面の順にスクリーンショットを残します。
AIを使う前に、家で確認しておきたいこと
始める前に、次の点は確認します。
- Canvasが表示されないときは、別のアカウントで回避せず、保護者や学校へ確認する
- 13歳未満やFamily Link管理、学校用アカウントでは使える機能が異なる。Family Link管理アカウントではGeminiのウェブ版を利用できない
- 今回は、18歳以上が条件となる「アプリへのAI機能追加」は使わない
- 氏名、学校名、成績は入力せず、学校のAI利用ルールを先に確認する
AIが出した文章をそのまま提出せず、使ったAIと使い方も記録します。
文部科学省のガイドラインも、生成AIを使う場面では発達段階や情報活用能力に配慮し、出力の誤り、個人情報、著作権などを確認する必要があるとしています。
明日は、用意した文章を文字入力して作ってみます
次回は、今日用意した指示文をGemini Canvasへ文字入力し、指示そのものがどこまで伝わるかを確かめます。中学生本人による操作や、スマートフォン実機での操作性を確かめる実験ではありません。
明日は、この指示を実際に入れます。最初にできた画面は、直さずそのまま記録しておきます。
完成したプロンプトを配るだけなら簡単です。でも、それでは次に別のものを作るときに使えません。「ここが困る」を自分の言葉で伝えて、直せるか。今回見たいのは、こちらです。
アルクの塾生で同じ自由研究に挑戦したい人は、次の金曜日のSLのときに相談してください。作りたいものを一緒に整理し、AIへ送る最初の指示を作ります。アプリができた後は、何を自分で確かめるかまで一緒に考えましょう。
参考にした公式情報
- Google「Gemini Canvasでドキュメントやアプリなどを作成する」
- Google「Geminiアプリへのログインに必要なもの」
- Google「お子様によるGeminiアプリの利用をサポートする」
- Google「Gboardで音声入力する」
- Apple「iPhoneでテキストを音声入力する」
- 文部科学省「学校現場における生成AIの利用について」
※機能や利用条件は2026年8月14日時点で確認した内容です。利用時には、各サービスと学校の最新案内を確認してください。